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中嶋研究室では、あらゆる元素を利用した機能性ナノ物質の創製に取り組んでいます。化学の視点から、ナノクラスターやナノ粒子構造体の研究を推進し、独自の手法を用いて新しいナノクラスターを開発しています。 Q「物質というのは原子･分子から固体・液体に連続的に繋がっていくわけですが、その途中の結合の様式が様々に組み合わさる事によって、物質の振る舞いというのは大きく変わっていきます。他の元素というのはある意味でいろんな結合様式が競合し合う関係にありまして、必ずしも人間が思った様には形を作ってくれないというそういう難しさがあるところです。そこを私達はどういう特徴のあるクラスターが存在するのかという探索研究を含めて、周期律の上で特長（徴）のある元素群をナノ物質として仕上げるという研究を展開しています。」 機能物質の中でも最小単位であるナノ物質は、発光性、磁気性、触媒活性など特異な機能を発現し、それらは半導体の原子集合体から有機分子、生体分子に至るまで、従来の枠組みにとらわれない物質として注目されています。中嶋研究室では電子物性、幾何構造および安定性の研究から、世界で類を見ないナノスケール物質群の構築を進めています。さらに現在、独自に開発した「ソフトライディング法」を用いて、新奇なナノスケール物質郡の特異性を活かす表面デザインを行っています。 Q「表面の上にクラスターを機能物質として敷き詰めると、敷き詰めるときに出来ればそこは秩序性を持って、それがどの位離れているのか、それからどの位の広さまでのクラスターが固定化されているのか、そういう様な事がキチッとコントロール出来ますとそれこそクラスターで表面が完全にデザイン仕切れるという世界が開けるという事で、それを私達は自己組織化という現象を使いながらクラスターの固定という事を通して実現したいと今、研究しているところです。」 こうした研究は、産業技術の向上と同時に、現在の大きな課題となっている環境問題やエネルギー問題の面での活躍が期待されています。中嶋研究室では機能性ナノクラスターの開発を続けることで、次世代のナノ機能材料化学の基板を築いています。 Q「ナノクラスターというのは例えば、触媒化学を新しく進める上での機能単位という見方をすれば、それはエネルギーを消費しない物質の合成法を進めるという事になりますし、そういう点でナノクラスターが将来的に、世の中をより便利さを維持しつつも環境や、エネルギーの問題を解決する物質群になるという期待を私は持っております。」